『脚立でGo!海外編 アメリカ西海岸の巻』
ご隠居デンジャラスツアー・・・もう何回目か解らん

西海岸の3
 プレーン・オブ・フェイムはロサンゼルス近郊の航空博物館として紹介される事が多いが、

正確にはロサンゼルス・カウンティの隣のサンベルナルディノ・カウンティに有る。

カウンティと言われても解らんだろうから、解り易く日本の規模で言うと都府県の違いと思えば良いと思う。
(行政区分の説明ではなく、距離的な説明)

つまりカリフォルニア州が日本だとしてロサンゼルス・カウンティが東京都だとすると、

サンベルナルディノ・カウンティは東京都の隣の千葉なり埼玉って感じ。

すなわち近郊と言ってもそこそこ遠い。(ハイウェイ飛ばして約1時間程度は掛かる)

ハイウェイを走り出してからは順調で約1時間走り続けて降りると・・・周囲は牧場だらけ。

漂う空気も矢鱈と家畜臭い。

そんな中をハイウェイから降りて、約10分程度で左折の指示が出た。

牧場のど真ん中にハンガーが有り、カーナビが指す目的地はその近辺。

更に指示通り走らせると路上で「目的地に到着しました」と言われたが、

すぐ横にハンガー&駐車場が有ったのでそちらに駐車した。

小型のハンガーの外には電飾を付けたB−17が展示されてた。

ここが目的のプレーン・オブ・フェイムらしい。

早速、脚立を持ってエントランスに入り、入場料を払って中へ。

中に入り古いのを殆どシカトして進むとP−38ライトニングが展示されてた。

ちゃんとレストアされており、状態はかなり良い。

周囲からP−38を撮影しまくる。
 
で、隣に移るとP−40やらP−51、P−47その他色々が有った。

ロシアの機体も少し有ったが、メインは米陸軍機のホールらしい。

そんなに広くない割にゴチャゴチャ置いていて、撮影角度が限定される物も多々有った。

例えばP−39は周囲にパーツやら何やらで埋まっていてロクに撮影出来ん。
 
仕方が無いので撮影出来る物だけ撮影する事にした。

更に隣は米海軍機ばかりを展示したホール。

F4Fが二機、アヴェンジャー、ドーントレス、F9Fパンター、F3F等が置かれてるのだが、

ここも狭い所にゴチャゴチャ置いている上に部屋の端っこに通路が有るのみなので撮影し辛い。

ってか、撮影はほぼ無理、撮れればラッキーと割り切った方が良いかも知れん。

折角珍しいF3Fが有るってのに撮影しようと思えば何かが被ってしまう。
 
ジ:前の機体が無茶苦茶邪魔だな。

ご:しかも、前の機体が珍しくも無いドーントレスだってんだから更にトホホ。

元の米陸軍機のホールに戻ってハンガーを出て、向かいのハンガーへ。

向かいのハンガーはレストア用のハンガーで、中はバラされて修復中の機体ばかり。

ハンガー内には(本物かどうか解らんが)ノースロップの三角形なシロモノや零戦やら色々有った。
ジ:三角形なシロモノって・・・かなり投げやりな表現だな。

レストアハンガーを適当に撮影して、表に出てレストア待ちの機体置き場へ

ジェット機が色々と置かれているのだが、これまたゴチャゴチャ狭い所に固まっている。

しかも、一応原型は留めているがパーツが無かったり塗装は消え加減。

それでも珍しい機体なら撮影するのだが、パッと見では珍しい機体は見当たらん。

どっちか言うとそんなに珍しくないよなって機体が目に付く。
(F−4ファントムUとかA−4スカイホークとか)

んな訳で、殆ど撮影せずにうろついていたら奥の方に車輌が置かれてるのを発見。

置かれてたのはM3A3スチュアートとM4A1シャーマンと装甲兵員輸送車が1輌ずつとこれ(↓)
 
ジ:95式軽戦車か?

ご:っぽいんだけど、違うと思う。

  なんと言うか足回りも変だし、機銃がただの鉄材だったりパチモン臭い。

  ひょっとするとハリウッド映画で使ったパチモンを下取りしたのかも知れん。


レストア待ち機体置き場のお次はまたハンガーに入る。

ここにはアメリカ製以外の機体が展示されてた。

まず入って直ぐに置かれてたのが零戦52型。

零戦は現存数の少ない日本機にしては例外的に結構残っている。

しかし、ここの機体は飛行可能で有るとの事。

で、更に隣には秋水がぶら下がってた。
 
色もアレだけど、機体の状態もそんなに良くない。

バラバラのパーツ状態でないだけマシだけど。

秋水目当てなら県営名古屋空港近辺に有る三菱重工を訪問する方が(要予約だが)オススメである。

その隣にはこの機体(↓)
 
ジ:塗装からして日本の機体だよな?

  けど、日本の機体にしてはスマートさに欠ける・・・どころか寸胴だな。

  紫電改も結構胴体が太いけど、こんな形状じゃないし。

  一体なにこれ?


ご:馬鹿者、この機体を前にして言うセリフは「教えてくれっ!」に決まってるし、

  
訊いた後は「ま、まさか」とか驚愕するのがデフォルトだ。

ジ:はいはい・・・で、この機体は何よ?

ご:雷電に決まってるだろ。

ジ:へぇ〜、これが雷電か。

ご:実際に乗った日本海軍パイロット曰く「座席が宴会が出来そうな位広い」、

  鹵獲テストした米軍パイロットは「日本の機体にしては座席が狭くない」と評価したそうだ。

  確かにこんなに胴体が太ければ操縦席も広くなるだろう。

  性能はと言うと対爆撃機用の局地戦闘機の割には高高度性能が悪い(高高度になると性能ガタ落ち)し、

  稼働率が悪かったし、パイロットから批判されまくりと散々だった。


ジ:本当に散々だな。

ご:高高度性能が悪かったのはそう言うエンジンしか作れなかった国力の問題だが、

  批判されたのはパイロットが局地戦闘機の意味を理解していないだけで、雷電の問題じゃない。


ジ:あれ?日本海軍のパイロットって優秀だったんでは?

ご:いやまぁ優秀とかどうのの問題じゃなくて、零戦に慣れて格闘戦に凝り固まっていたから、

  
雷電は格闘戦に使い辛い上に航続距離が短いから駄作と批判されたのだが、

  そもそも
局地戦闘機は爆撃機を重武装で叩き落す機体だから、

  汎用の戦闘機である零戦と違って
必ずしも格闘戦に長けている必要は無いし、

  
航続距離も零戦が異常に長いだけで、雷電が特に短い訳ではない。

  ・・・ってか、雷電より航続距離が長い単発戦闘機は世界中でそんなに多く無い。

ジ:ふぅ〜ん。

ご:けど、この機体を開発した理由がよく解らん。

  この機体が出来る以前に陸軍が二式単座戦闘機鐘馗ってのを開発してるけど、

  エンジンが同じ(細かい違いは有るが)、武装は雷電の方が勝るけど重戦で有るのは一緒。

  開発目的は似た様なもんなのに陸海軍の面子で海軍用に生産するとかそんな話は一切無し。

  せめて鐘馗のデータだけでもフィードバックすればマシな機体になったかも知れん。
  (陸海軍の縄張り以外にも開発メーカーの違いが有るから難しいだろうが)

  ってか、雷電開発のお陰で零戦の後継機になる筈の烈風の開発が遅れたのも・・・

  まぁ烈風の開発が早まった所で駄作機に終わった可能性が高いし、

  鐘馗どうこう以前に陸軍も隼なんて開発せず零戦を採用していたらとかどっちもどっちなんだが。


ジ:日本の陸海軍って随分と仲が悪かったんだな。

ご:ってか、大国で自国の軍同士が仲が良いってのも少ないんじゃないかな?

  アメリカもニミッツとマッカーサーで対立してたり陸海軍仲が悪かったし。

  ドイツに至っては陸軍と海軍はそうでもないが空軍と海軍は険悪だった。

  と言うか、ゲーリング空軍大臣が陸軍と海軍に因縁吹っかけてたってのが正しいかも。


ジ:因縁吹っかけてるって・・・

ご:空飛ぶ物は全て空軍のもんだ。例外は認めん!って感じ

  お陰で海軍は航空隊を取り上げられて空母を所有出来ず。

  ・・・ってか、航空機無しの空母なんて所有しても意味無いし。

  多分、大国で殆ど対立が無かったのはソ連ぐらいじゃないか?


ジ:へぇ〜共産主義だから国民は平等だとか?

ご:いや、そもそもソ連は海軍が小規模だから陸軍(赤軍地上軍)の相手にならんってのも有るだろうが、

  
「いつスターリンに粛清されるか心配で対立どころじゃなかった」ってのが主因。

ジ:うわっちゃ〜。

雷電の隣の部屋の隅には一式陸上攻撃機の残骸が置かれてた。

残骸なのだが背景をジャングルの絵にしており、いかにも撃墜された跡って感じで中々良いと思う。
 
更に隣にはBa339ナッターとHe100が置かれてた。
 
Ba349

He100
Ba339ナッターは大戦中、しかも敗戦間際でドイツ本土がボロボロの状態で生産された割には妙にキレイだし、

He100に至っては主脚のパーツが随分と少ない割に機体自体は破損無し。

おかしいなと思って説明を見たら両方レプリカ・・・つまり原寸大模型である。

ご:He100なんてロクに量産されていない(一応、量産型が6機生産されている)のに

  何故アメリカに残ってるんだろ?と疑問に思ったが、レプリカなら生産数とか関係が無いわな。


ジ:まぁレプリカと書いててくれるだけ親切じゃない?

ご:確かに国内のどこぞみたいに嘘八百書くよりは遥かに良いな。

ジ:しかし、この機体って随分華奢な感じがするな。

  零戦より華奢に見えるんだが・・・


He100の隣にMe163とHe162が有り、天井からH.IVが吊ってる。

He162は本物らしいのだが、H.IVは少々怪しい気がする。

Me163は現存機が各地に残ってるから本物かと思いきやレプリカだそうだ。

なお、ハンガーの真ん中にはハリケーンとスピットファイアが二機展示されてた。

ジ:なんか他と違って物凄くアッサリだな。

ご:スピットファイアはバリエーションが多いから兎も角として、

  ハリケーンって矢鱈滅多ら残ってるし。

  しかも、ハリケーンってバリエーションが少ないんだよね(残ってるのが同型が多いのも)

  マーク]とかまで有るから、パッと見たらバリエーションが多そうに見えるけど、

  カナダ製を別番号に振ってるから多く見えるだけで、形状はほぼ同一だし。


こんなもんで次のハンガーへ。

隣のハンガーにはジェット機等が多々有った。

が、狭いのに多数置いてるもんだから、撮影には全く向いてない。

それに展示されてるのもMiG−17とか他所の博物館でも見れるものが多いので、

わざわざ撮影し辛いここで撮影しなくても他所で撮れるよなぁ〜って状態。

トドメにご隠居はMiGの古いのは北京で厭きるほど撮影したし。
(MiG−29とか新しいのは無い)

ハンガーを出て適当に撮影して博物館を後にする事にした。

ご:で、博物館を批評させて貰うがご隠居が期待した程じゃなかった。

ジ:評価低いって事?

ご:いや、訪問する価値は十分有る。

  特に雷電はここにしか現存してないみたいだし。

  ご隠居が言いたいのは
事前情報での評価が高過ぎたから、拍子抜けしたって事。

  
書籍等だと物凄く評価が高いんだけど、それを鵜呑みにするとガッカリする事になる。

  ここって
珍しい機体ほど撮影し辛いし、期待してたらレプリカだってオチも有る。

  後者は博物館の責任じゃなく、隠している(もしく気が付かん)書籍が悪いのだが。


ジ:けど、レプリカでも価値は大きいんじゃない?

ご:確かにレプリカだからと言っても価値が無い訳じゃない。

  レプリカだろうがここにしか無いから、目当ての人には十分以上に価値が有る。

  けど、
本物だと思ってたらレプリカってのは痛いな。

  それにカリフォルニアって航空博物館が多い。

  それらの博物館の中には珍しい機体を置いてる博物館も有る。

  結局、対抗馬が多いから評価を落さざるを得ない。

  ただ、この博物館は通常の展示だと撮影し難いのでこの評価をしたけど、

  有料で大戦機でのフライトを体験出来たり、大戦機を使った航空ショーをしてたり、

  形状だけのレストアだけでなく飛行可能な状態まで復元を努力したりと

  
とても日本の博物館とは比較にならんのは確実である。

ジ:ってか海外の軍事博物館と真っ当に比較出来る軍事博物館なんて日本には無いわな。

2時間程度で撮影を終わらせて、プレーン・オブ・フェイムを後にした。

『脚立でGo!海外編 アメリカ西海岸の巻』第二話

『脚立でGo!海外編 アメリカ西海岸の巻』第四話

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