V号突撃砲(StuGV)

説明 展示博物館
 1936年6月、トーチカなど陣地を突破する際に歩兵を支援する装甲車輌として、戦車車体ベースに75mm以上の砲を限定旋回式に搭載した低姿勢の車輌の設計が提案された。
(『車高は平均身長を超えない事』という要求項目が有った)
車体の設計はV号車体をベースにする為にV号戦車を設計したダイムラー=ベンツ社に、砲の設計はクルップ社に発注された。

開発の時点では後の様に天井は無く、視界の良好さ等の理由からオープントップの車輌として設計された。
主砲は7.5cm突撃カノン砲(W号戦車の砲と同じ物)を搭載している。
38年にV号戦車B型をベースにした試作車が引き渡されて戦術の研究に使用された後に訓練用車輌として使用された。
またその間に名称が36年11月に「Pak(sfl)」、37年に「Pz.Sfl.V(s.Pak)」に変更、40年2月には突撃砲7.5cm砲用装甲自走砲(Sd.Kfz.142)と変遷している。

39年にはオープントップの脆弱性が指摘されたのか、天蓋を付けハッチとパノラマ式照準器が装備された。
恐らくスペイン内戦の戦訓等から榴弾や近接した歩兵による手榴弾・火炎瓶投擲に対抗出来ない事が予想された為ではないだろうか。
この天蓋の取り付けにより、現在知られる突撃砲の形状となった。

 40年1月〜5月にV号戦車車体をベースに装甲を強化したA型が30輌生産され、フランス侵攻の際に実戦投入された。
40年6月からは駆動系を主に改良したB型が量産開始され41年5月までに320輌完成し、41年4月のユーゴスラビア・ギリシア攻略や6月からのバルバロッサ作戦に投入された。
41年3月からは前面に開いていた直接照準用の開孔部を塞ぎ、替わりにペリスコープを採用したC型が50輌生産され、続いて5月からは車内通話装置を搭載したD型が150輌生産され、9月からは指揮車輌用として無線を強化したE型が284輌量産された。

 元来歩兵支援用車輌として開発された突撃砲だったが、対ソ戦開始後強力なソ連戦車と遭遇した為により対戦車能力も求められる事になった。
長砲身砲自体の開発は以前から進められており、突撃砲開発中の38年8月に40口径7.5cm砲の開発をクルップ社が申し出ており、40年7月には41口径砲として正式採用された。
41年3月にはこの砲を搭載した突撃砲が公開されて42年春から量産される事が決定した。
ところが何故かこの砲の搭載は取り止められて、41年9月に急遽ラインメタル社に新型の長砲身7.5cm砲の開発命令が出され、43口径突撃カノン砲40及び48口径突撃カノン砲40が作られた。
しかし、48口径突撃カノン砲40は薬莢排出が出来なくなるトラブルが発生した為に解決するまでは43口径砲を使用することが決定された。
43年2月にはE型の主砲防盾を変更して長砲身砲及び排気ファンを搭載したF型が提案され、3月から量産される事になり、これに伴ってE型の生産は中止された。
また、6月には前面装甲を80mmに強化するようにヒトラーより命令が出され、6月末の生産車輌から30mmの増加装甲が溶接される事になり、また48口径突撃カノン砲40のトラブルが解決した為に48口径砲を搭載した車輌も一部存在する。
F型からは特殊車輌番号が以前のSd.Kfz.142からSd.Kfz.142/1に変更された。

また、V号戦車ではソ連戦車と対抗するのは難しく、前線から『V号戦車より突撃砲を』との要求が高まり突撃砲が増産される事になった。
その為に9月からはV号戦車車体を流用したF/8型が生産された。

42年12月からは戦闘室を大型化して、車長用キューポラを装備したG型の量産が開始された。
G型はドイツの敗北直前まで生産され、43年2月に対戦車ライフル対策に車体側面にシュルツェンを装備する事が提案され、4月に生産された車輌から装備が開始&前線の車輌にも追加装備された。
また、43年5月にはマズルブレーキをダブルバッフル式の物に変更、43年11月からは主砲防盾がザウコプフ防盾に、12月には車内からの操作可能な機銃の追加、44年3月には同軸機銃の採用される等各種改良されて生産された。
生産数量も突撃砲の中では最大で約7700輌生産され、現存する車輌はこの型が多い。
(他の型も残ってない訳ではない。D型がスェーデンにF/8型がベオグラードに有るらしいし)


派生型に105mm榴弾砲を搭載したV号突撃榴弾砲(StuG42)が有る。

なお、W号突撃砲はV号突撃砲(車体)のラインが空襲で停止した際に、W号戦車の車体を代用して作られた物である。

V号突撃砲G型 全長6.691m 幅2.597m 重量23.22t 最高速度 時速40km
          装甲 前80mm 生産数 10446輌 W号突撃砲は1108輌(改良は除く)
V号突撃砲G型

ボービントン戦車博物館

コブレンツ軍事技術博物館
2014年時点で未展示
他博物館に移動かも?


ムンスター戦車博物館

ジンスハイム交通技術博物館

ソミュール戦車博物館

アバディーン戦車博物館
移転済み

パットン戦車博物館
恐らく移転済み
画像はアバディーン戦車博物館にて撮影したV号突撃砲G型
画像はムンスター戦車博物館にて撮影したV号突撃砲G型
画像はパットン博物館のV号突撃砲G型
画像はソミュール戦車博物館にて撮影したV号突撃砲G型
画像はジンスハイム交通技術博物館にて撮影したV号突撃砲G型
画像はボービントン戦車博物館にて撮影したV号突撃砲G型
この色は無いわ。まるでソ連戦車じゃないの。

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